2日間で17のエクササイズ
『はじめての動機づけ面接 MIガイドブック』に沿った2日間の対面講座が無事終了しました。
初開催の今回は参加者6名。少人数ですが、東京での開催に北海道や大阪や高知から足を運んでくださった方々もいました。嬉しいかぎりです。
また入門講座にもかかわらずMI熟練者であるトレーナーの方も2名参戦、バラエティに富んだメンバーになりました。ちなみに、トレーナーの方々はそれぞれに研修機会をお持ちで「MIをどう伝えるか」という観点からも興味を持って参加してくださったようです。
そして、初心者から上級者までが2日間で17のエクササイズに取り組みました。

事後アンケートでは平均評価が星5つ(満点)と、やや出来すぎのところもありましたが、1日目が終わった段階で「これはいい入門研修だ」と確信が持てる内容でした。その理由は後述します。
(アンケートより感想)
- 動機づけ面接を体系的に学ぶことができた。
- 具体的、実践的、丁寧。すぐ活用できる。楽しい。貴重な2日間になった。コミュニケーションの大切なメカニズムを学んだ。
- 講師の方の説明がわかりやすかったです。初めての人にもわかりやすい説明でした。
- 各エクササイズの意義が理解出来ました。また、MIのスキルに注目しがちでしたが、相手を深く理解するためのコミュニケーションスタイルであることを改めて理解することが出来た気がします。
- それぞれの学習項目を理解する説明とエクササイズがあり、それらの、時間配分も充分で、時間をかけて学ぶことができた。理解と好奇心というMIの根底にあるものから学ぶ方法は学習者としてもトレーナーとしても参考になりました。少人数でアットホームな雰囲気の中で仲間意識を持って楽しく学べた。
- 6人という小人数で受けられて、さらに2名のトレーナーが参加しているというたいへん贅沢な研修でした。そして事前にテキストを自習して講義よりもエクササイズ中心なのが良かったです。また「理解と好奇心」と「方向性」に関する研修が明確に分かれることで、MIの土台であるスピリッツとOARSがより深まったと思います。
理解と好奇心の力〜パーソンセンタードとしてMIを学ぶこと
今回、私は主催者の立場でしたが、2日間の充実した研修を終えて、強く心に残ったことがあります。
それは、「パーソンセンタード・アプローチ」(PCA)としてMIを学ぶことには意味があるということ。
「パーソンセンタード」は、噛み砕いて表現するなら「理解と好奇心のアプローチ」とも言えます。援助者がクライアントに外側から正解を与えるのではなく、まずは1人の人間として温かく受容し、その人自身の感情・考え・価値観に純粋な好奇心を向けて理解しようとする方法です。

今回の入門講座では、1日目にMIの基本スキルであるOARS(開かれた質問・是認・聞き返し・サマライズ)を、「好奇心を持ってクライアントを理解する」スキルとして学びました。
そのうえで2日目にはMIならではの特徴である「チェンジトーク/維持トーク」の概念やモチベーションの引き出し方を学びます。
そうすることで、MIの「スピリット」〜「相手を理解するための基本スキルOARS」〜「MIならではの特徴(変化の理由や価値観への注目)を一続きの流れとして体感することができます。つまりMIをPCAとして学ぶことで、スピリットもスキルも連続したものとしてシンプルに理解しやすくなります。
MIの最新版のテキスト(第4版)では、MIがアメリカの心理学者カール・ロジャーズをルーツに持つパーソンセンタード・アプローチであることが強調されています。日本でも、この観点からMIを捉え直すことに注目が集まっています。
今回の講座は「パーソンセンタード」としてのMIを強く意識した内容でした。いい形で終えられたことを心から嬉しく思います。
ご参加くださった方、また、ここにいたるまでに応援してくださった方々、ありがとうございました。
3月の開催について
「はじめての動機づけ面接 MI入門講座(2days)」は3月にも開催します。(8日&9日、東京)
定員8名の少人数開催で、本日(2/7)の時点であと1名参加枠があります。
初めてMIを学ぶ方、また基本を学び直したい方、ご参加をお待ちしています。
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※いただいた参加費の一部はMIの国際ネットワークMINTに寄付する予定です。
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